徒然なるままな音楽記と日常におこった出来事。


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音楽を探す

 自分の一番苦手な質問は「好きなアーティストは?」だ。理由は好きな人だらけだから。その質問に自身をもって1つ2つのアーティストを挙げられる人は羨ましい。それだけそのアーティストを深く愛しているんだろうなと思う。こんな簡単な質問に戸惑う自分がもどかしくて、躍起になって書きたくったことがある。100個以上の名前を書いたところで、自分のしている行動の無意味さに気づいた。



 音楽との出会いは様々だ。TVやラジオでふと聴こえて来た曲、レコード店の試聴機に入ってるCD、デパートでかかっているBGM、友達がカラオケで歌った曲、ほんとにふとした時にふとした音楽に感動を覚えて、その音楽を一生聴き続けることもある。いや、寧ろ殆どの場合そうした経緯で音楽を知ることだろう。

 何の情報源も持たずに大きなレコード店に行ってみた時の事を想像してみて欲しい。目の前には何十万作品もの見たことも聴いたことも無い音楽が並んでいる。その中から自分が心の底から動かされる音楽を選ぶ。それが300万枚売れたアルバムだろうが1000枚しか売れていないアルバムだろうが、そんな事は関係ない。時間を掛けて、じっくりと、自分の尺度で自分に合った音楽を選ぶ、これほど素敵な事は無いと思う。だが実際にそうする事は難しい。コマーシャルや音楽番組によるPR活動、町中にかかる音楽、ラジオのパワープレイ、レコード店に行ったって店内POPだらけだ。いかに自分がマスメディアに支配されているかを感じる瞬間である。

 自分の知らないところに、もっと心動かされる音楽があるんじゃないか。そんな期待をもって音楽探しをしている瞬間は至福のひと時だ。一時期、俗に言う「ジャケ買い」をしていたことがある。ものすごい期待を抱いて、帰り道CDプレーヤーに載せる。その中で今も聴き続けている作品は唯一1つである。その数を多いと見るか少ないと見るかは皆さん次第だが、なかなか効率の悪い事であるのは間違いないだろう。知らない音楽を見つけ出すのは、(音楽が商業市場として確立されているご時勢には)金も労力も掛かる行為である。だから、殆どの人は意識的な音楽探しをせずに、マスメディアに身を委ね、偶発的な発見を待つようになった。

 「好きなアーティストは?」 ― この質問に対する答えは、音楽に飢え、音楽を探すことに骨折っている者にとっては一時的なものでしかない。常にその答えを増やし続けたいという思いが、答えを書き続ける自分の筆を止めたのだろう。
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by un-air | 2005-03-05 01:02 | コラム